神楽坂駅前にある「アラビックカフェ & デリアブイサーム」。
ここのケバブはとてもおしい。これまでいろいろなお店のケバブを食べてきたが、ここのチキンは都内で一二を争うレベルなのではないかと思ったほどおいしかった。
しかもこの店では美味しいケバブだけでなく、コシャリという珍しい料理や、中東の美味しいスイーツまで楽しめる。西アジア、中東の食べ物が好きなら絶対に一度はいくべきお店である。
入りやすい落ち着いた外観
お店の外見は今風のカフェをほうふつとさせるナチュラルな色みであり、ケバブ屋としてはこういった外観のお店は非常にめずらしい。
ケバブ屋といえば赤や黄色など、目立つ色を基調とした、主張が強いお店が多い。以下がその一例だ。ケバブが好きな方であれば赤や黄色いケバブ屋が多いのはなんとなく共感してもらえるだろう。
また西アジア系の料理屋は地下にあったり、独特の外観をしていて店内の様子がまったくわからなかったりするので、入りにくい雰囲気がある。
一方で、「アラビックカフェ & デリアブイサーム」は清潔感で溢れているし、ガラスばかりになっているので店内の様子がわかり、とても入りやすい。
こういったいい感じのお店はなぜ今までなかったのだろうか。
ちなみにイートインもテイクアウトも可能だ。店内はそれほど広くはないが、清潔感があるのがやはりいい。
メニューはケバブサンドやケバブごはんといったポピュラーなメニューから、バゲットを使った「ケバブバゲット」といった変わり種もある。
また、コシャリというエジプトのソウルフードなるものがあるらしく、食べログの口コミでは絶賛されていた(食べログ)。
料理の写真は公式サイトで確認可能だ(公式サイトのメニュー一覧)。
とにかく美味しいチキンケバブ
今回は初めてなので、というとりあえずケバブサンド注文した。イートインの場合に限られるのかもしれないが、スープがついてくる。
一見、シンプルなケバブサンドだが、味は非常にいい。
チキンのケバブサンドなのだが、チキンがごろっと大きくて食べごたえがあるし、しかもめちゃくちゃぷりぷりしている。
ケバブのチキンはパサパサしていることが多い。もちろん例外もあるが、屋台のケバブ屋は、あまりいい肉を使ってはないだろうと思われるチキンがほとんどだ。
一方でここのチキンはとてもプリプリしている。そしてスパイスの味も、肉そのものの味もいい。おそらくチキンだけで食べても美味しいだろう。
その他、パンの焼き加減のソースの絡み具合も、とにかくすべてがいい感じだ。1つの料理としての完成度が高いのだ。おそらくしっかりプライドをもってケバブを提供しているのだろう。
エジプト料理のコシャリが食べられる数少ないお店
他にも珍しいメニューがあって、前述のとおりエジプト料理としてしられるコシャリを楽しめる。
コシャリはエジプトの国民食といわれているもので、ご飯にパスタ、豆、マカロニ、フランドオニオン、トマトソース、ヨーグルトなどをのせた食べ物である。日本のラーメンと同じく、店によって味やトッピングが違うらしい。
アブイサームの場合は、チキンのトッピングも選択でき、今回はそちらを注文した。
ご飯にヨーグルトという、日本ではなかなかみられない組み合わせであるが、これが美味しい。トマトと甘みとヨーグルトの酸味がいい感じにマッチしている。
なかなか食べるお店が少ないので、胃袋に余裕があったらケバブサンドと一緒にぜひ食べてほしい。
スイーツも充実している
ケバブサンドがあまりにも美味しかったので、このお店を応援したいという気持ちが芽生え、他のメニューも注文してしまった。
以下はチーズケーキとチャイだ。チーズケーキは普通の、ホームメイドのチーズケーキだといえる。
またキャロットケーキが人気だということで、キャロットケーキをテイクアウトした。キャロットケーキを食べたのは初めてだったが、とりあえず美味しかった。
他にもトルコあたりでよくみられるバグラヴァというシロップ漬けのスイーツもある。
このバクラヴァ、他のお店でも食べたことがあるのだが、アブイサームもバクラヴァはダントツで美味しい。
バクラヴァは前述のとおりシロップ漬けにしたスイーツで、どれくらいシロップにつけるかは、店のさじ加減である。で、たいていギトギトにシロップがついていて、非常に甘いものになっています。
一方でアブイサームのバクラヴァはほどよい甘さである。またパイ生地のサクサクとナッツのザクザクなど、いろいろな食感を楽しめる。これまで食べたバクラヴァのなかで一番美味しかった。
他にも焼き菓子がある。先のチャイ以外にもソフトドリンクとコーヒーもあって、ケバブ屋としてだけではなく、カフェとしても利用できそうだ。
ケバブの味はもちろんこと、店の雰囲気も、メニューの充実度も申し分ない。末永く存続してほしいケバブ屋である。